Hiro's Library
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愛にはじまる
愛にはじまる―ダウン症の女流書家と母の20年
金澤 泰子 金澤 翔子
ビジネス社
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おすすめ度の平均: 5.0
5 障害を持った少女の

■My Review
この本はダウン症の書家・金澤翔子さんの今までの生い立ちや、
書家になった背景を母である著者が書いているものです。

著者の娘・翔子さんが生まれた当時の社会は、障がい者に対する
理解が今よりもとても低かったと聞きます。その時代に
どのような気持ちで翔子さんを出産し、今まで育ててきたのか。
時代が時代だっただけに、著者の歩んだ人生は、決して穏やかな
ものではなかったことがこの本からもわかります。

本にはDVDが付属しているのですが私はDVDから見ました。
その映像を見て、生後5ヶ月の息子を育児していた私は少し
ショックのようなものを感じてしまいました。頭の中で
翔子さんのことを美化していたこともあったのだと思います。
多分ダウン症について、まだあまり知識のなかった私にとって、
これは慣れない感情だったのかもしれません。

DVDの良い点は、本では伝わらない情報も伝えることが出来る
という点につきると思います。私が勝手に思うことですが、
このDVDはどちらかというと一般の方向けに作られたものではなく
私と同じくダウン症の子を持った親及び、ダウン症に関わる方に
向けて作られたものではないかと感じました。だから著者は
翔子さんの日常の多くをこの本で見せてくれているのだと思います。

何にせよダウン症の方の日常生活を記録した映像を私はまだ
見た事がありませんでしたのでこの本はとても貴重なものだと
感じました。もちろんダウン症を知らない方でも、翔子さんの
書の素晴らしさを通じて、この本からダウン症への理解を
より深めることが出来ると思います。


私がこの本から学んだことは、障害を持つ子に関わっていく
過程で、今まで持っていた常識は臨機応変に変えていかなくては
ならないということでした。逃げてばかりではなにも解決しない
ことを知りました。

私の息子はまだ親の言う通りになりやすい可愛い存在なのですが
大きくなってくると息子も含めて家族の間にも色んな葛藤が
出てくることと覚悟しています。今のうちから著者のように
全てを受け入れる度量を持つように努力していかないと、
私は息子と共により良い人生など歩めるはずがありません。


この本で特に私が印象に強く残ったところは、翔子さんが
14才の時に急逝されたお父様について書いてある下りです。
私は同じ父の立場としてその部分にとても感銘を受けました。

少しその部分を書いてみますと、翔子さんが生まれた当初、
仮死状態で敗血症を起こしていた為、お父様は病院側から
交換輸血をしないと命はないと宣告されました。ただダウン症
なので、そこまでして命を助けるのはどうかという話を医者側
からその時忠告されたそうです。しかしお父様は迷うことなく、
自ら交換輸血を行い翔子さんは無事生き続けることができました。

当時の情報の片寄った時代に、私が翔子さんのお父様と同じ立場
に立ったとして、はたして我が息子に同じことをしてやれたか
どうか、多分とてもあやしいものだと思います。翔子さんの
最近の活躍を見るにつけ、お父様は姿こそ見えませんが、
今も翔子さんと共に生き続けているような気がします。


本の構成は、お母様の書かれたページが50頁、翔子さんの「書」
の紹介が50頁、それに加えてDVD付という、とてもバランスの
取れた構成になっています。添付のDVDの圧巻は何といっても、
最後の席上揮毫のシーン。とても大きい筆で、淡々と書き上げて
いく様子はこのDVDの目玉だと思います。

私はダウン症の息子がとても良い時代に生まれたことを、
この本を読むことで、いっそう感謝することが出来ました。
今の時代、ダウン症がここまで認知されてきた陰には、情報の
少ない時代に厳しい生き方を余儀なくされた方々の努力の
積み重ねがあることを今回再認識しました。著者が今、
翔子さんと共にとても幸せな人生を歩まれている事、
何よりうれしく思います。


■関連書籍

天使の正体―ダウン症の書家・金澤翔子の物語

■関連リンク

 ◆金澤翔子の世界

 ◆金澤翔子さん関連リンク集


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