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ダウン症児のことばを育てる―0歳から生活のなかで
ダウン症児のことばを育てる―0歳から生活のなかで
池田 由紀江 菅野 敦
福村出版
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おすすめ度の平均: 5.0
5 ダウン症児はことばの壁が厚い

■My Review
この本はダウン症の息子が生後3ヶ月の時に出会った本ですが
ダウン症の我が子をことばの面から今後どう療育していけばよいのか
について、具体的なヒントが得られた本でした。息子は3才になりまし
たが、ダウン症児の言葉の遅さを今とても実感しています。

この本ではタイトル通り、ダウン症児の育て方についてことばの点
から深く掘り下げて解説されています。この本の素晴らしいところは
「ことばの療育プログラム」に集約されていると思います。

なぜ、ことばなのか。 著者の言葉を借りると、
「『ことばによるコミュニケーション』はダウン症の子ども たちにとって
最も困難な領域である」らしい。

特にダウン症児は周りの子どものことばが理解できているのに
自分の気持ちをことばで表現することが苦手なこと。
そしてことばは出ているのに不明瞭な為、自分の言いたいことを
周りにわかってもらいにくい、という現実があると書かれています。

これはある意味地獄ではないかと思います。私は言葉による表現
がうまくない方なので、今の自分よりもコミュニケーションが下手
だったらと想像するだけで足がすくんでしまいます。我が子の為にも
今後出来るだけいい方向に療育してやりたいと思いました。


ところで、本書は大きく分けて3部構成になっています。
1部では、「ダウン症とは」からはじまり、「ダウン症児のことばの発達
の特徴としての要因」等について述べられています。
この1部で、ダウン症児におけることばについての基礎知識を
頭に入れた上で、本書の要である、
「2部:ダウン症児のことばの指導」に入っていきます。

2部は、実践的な「ことばの指導プログラム」です。
3部は、これらのプログラムを使った、軽度~重度のダウン症児
の療育指導例が載せられています。

私は、2部について最も感銘を受けましたので、ここで紹介されている
プログラムについて少しまとめておきます。

2部で紹介されている「ことばの指導プログラム」は

1)0~1才(前言語期)
2)2~3才(幼児前期)
3)4~5才(幼児後期)
4)6才~(学齢期)

の4つの時期に分けて各々に応じたプログラムが組まれています。
当時私が参考にしたのはもちろん1)になります。


2部の中で私が印象に残った言葉を少し紹介してみます。

・イメージをつくるのには、子どもに
「今あなたは○○を見ているのよ、きれいね」とか
「○○を食べているのよ、おいしいね」と言ったり、共感したりして、
今経験していることをお母さんが意識させてあげなければなりません。したがってこどもが
1人遊びしていたり、1人勝手に活動しているだけでは
イメージをつくることができません。

・口唇や舌のコントロールは微細な身体運動で、手指のコントロール
と共通性があると言われてきました。さらに手指は全身を使った歩く、
走る、跳ぶ等の粗大運動と関連して発達します。したがって粗大運動
は口唇や舌のコントロールの基礎ともなっているのです。


このブログラムの構成の基礎となっている考え方があります。
それは、<対人関係><認知能力><運動能力>の3要因。
それらはことばの花を咲かせる肥料と表現されています。

この本では、この3要因を学習するために、<遊び>と<生活>
そして補正的に<課題>学習する場面を設けています。

バランスよくことばの指導を行うことができるような
具体的なプログラムが上記の4つの時期について順を追って
書かれていました。

特に私が驚いたのは、子どもによって出る症状が千差万別である
ダウン症をテーマにしたプログラムにもかかわらず、系統だって
きちんとプログラムが組まれていること。

上記の<遊び><生活><課題>の各場面ごとに、ことばの発達
を支える3つの要因、<対人関係><認知能力><運動能力>を
組み合わせた3×3=計9項目のプログラムが、各4つの時期
それぞれに設定されています。

それだけではなく、ダウン症の子どもたちがことばを獲得する過程で
特に問題となる<聞くこと>の弱さに対応した項目を、
1項目加えています。これで、各時期10項目の計40項目の
プログラムが設定されています。

この本で書かれていたのですが、赤ちゃんによくする「たかいたかい」
は上記3要因を全て満たしている遊びなのだそうです。非常に密度の
濃い対人関係である、身体や表情を介したコミュニケーション、
自分とお父さんお母さんの身体の大きさや感触の違い、揺さぶりに
伴う位置関係の変化を実感することは、もっとも基本的な認知能力を
育てるそうです。

そして、これもこの本のなかで、心に残ったことばですが、
「ことばにおけるハウスとは何でしょうか」という質問がありました。
答えは、日常生活の生活リズムだそうです。

基本となる活動(起床、食事など)は毎日決められた時間に
できるように生活環境を整えることが大切らしい。
まずは自分から変えなければならないようです。

この本はダウン症児にとどまらず、健常児の育児にもよい影響を
与えると思います。長女の育児にも参考になることが多い本でした。

ダウン症児のことばを育てる

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テーマ:障害児と生きる毎日。 - ジャンル:育児

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