Hiro's Library
気に入った本、DVD、CDなどを厳選して載せていくメモ的ブログです
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21番目のやさしさに―ダウン症のわたしから
21番目のやさしさに―ダウン症のわたしから
岩本 綾
かもがわ出版
売り上げランキング: 84643
おすすめ度の平均: 5.0
5 この本の社会的意義は
5 ダウン症者本人の自伝

■My Review
この本はダウン症という障がいを持った当事者が書いた点で、
とても貴重な本だと思います。 また、著者はダウン症を持って
いながら4年制大学を卒業したことでとても有名な方。
私の息子も著者と同じダウン症ですので、親の側として読む私も
いつもの読書とは全く違った読み方をしたように感じました。

本の流れは、初めに著者のメッセージから始まり、
続いて幼少期から小学生、中学、高校、大学卒業後までの
生い立ちや素敵な思い出を、著者と親しい方々の寄稿文を
交えながら進んでいきます。

最後は、著者が叶えたい夢(たくさんありました)、
今の日常生活、素敵な詩、そして「おわりに」と続き、
最後は著者のお母様のあとがきで締めくくられています。

私がインパクトを受けたところなのですが、
著者が講演で「幸せのかたち」について話されるとき、
「どんなかたちですか?」等と聞かれたことがあるという下り。

『ただはっきり言えるのは、「私にとって一番の宝物は家族です。
両親が元気で生きていてくれるだけで"幸せ"です」』

と著者は書いています。
私が自分自身を思う以上に子供にとって私は大切な存在で
あるんだなと今更なのですが気づかされました。

大平光代さんと著者及びご家族の対談がTV放映されたのは
記憶にとても新しいのですが、その中で大平さんのお子様に
著者が贈った言葉、「21番目のやさしさにありがとう」
という言葉の一部がこの本のタイトルになっています。

実はこの言葉は著者のお母様が、
「21番目の1本多い染色体にはやさしさと可能性がいっぱい
詰まっているんだよ」
と常日ごろ著者に話していた言葉なのだそうです。
著者はその言葉にとても救われたと語っています。

この本は、ダウン症の方が書かれたという点で、
他のダウン症関連書籍とは一線を画します。
ダウン症児・者に関わられる全ての方に
ぜひ一読して頂きたいと願います。


■関連書籍

夢紡ぐ綾―母と娘のデュエットことば育ちは心育て―ダウン症児のことばを拓く走り来れよ、吾娘(あこ)よ―夢紡ぐダウン症児は女子大生

 ◆ことば育ちは心育て~My Review


■関連リンク

 ◆岩元綾さんHP

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ことば育ちは心育て―ダウン症児のことばを拓く
ことば育ちは心育て―ダウン症児のことばを拓く
岩元 昭雄 岩元 綾 岩元 甦子
かもがわ出版
売り上げランキング: 75187
おすすめ度の平均: 5.0
5 宝石箱のような本

■My Review
宝石箱のような本でした。決して大げさではなく、
この本の中には30年間蓄積された子育てのエッセンスが
数多く入っています。

著者はダウン症で4年生大学を卒業された岩元綾さんの父親。
ダウン症児の子育てではとても有名な方です。ダウン症児が
他人のフォローなくして大学を卒業した例は皆無だそうで、
なぜ英語、フランス語を綾さんが習得するまでに至ったか
について思い当たることをこの本で語っています。

著者は教職員であること以外、綾さん出生当時、ダウン症児の
子育てについては全く知識がなく手探りで育てられたそうです。
過去にも、家族で2冊の本を出版されており、
今回のこの本では社会生活をするために最も必要だと思われる
「ことば」について掘り下げて書かれています。

私はダウン症の息子が4ヶ月の時にこの本と出合いましたが
ダウン症について色々学んでいくにつれ、ダウン症児・者は
ことばを習得するのが難しいと知り、ことばをいかに息子に
習得させていくかについて考えていた時でした。
そのこともあって、この本からは多くのヒントをもらいました。

読み終わって感じたのは、結局子育てというものはダウン症
だから特別何かしなければならないことはなく、その子にとって
何が必要なのかを適確にとらえ、いいタイミングでフォローして
やることが大事であるとわかりました。

ですから、私自身、専門知識は皆無だったとしても、子育ての
原点に返ることで、悔いの残らない子育てが出来るのではないか
という可能性を見つけることが出来ました。


著者が実践されたことは、生後半年にも満たない時から
本の読み聞かせをされていたそうです。その時に、
クラシック音楽を小さな音でかけていたり、童謡のレコード
を繰り返し聞かせたり、絵本を与えたり、さまざまなことを
実践されています。それが将来、ことばを覚えるのに効果的
だったのではないかと述懐されています。

また、小学一年生の頃から綾さんに日記を書かせていたこと、
これもことばの習得に関して大きな影響を与えたのではないか
とも書いてありました。

特に日記は、小学校の6年間ほとんど休みなく継続されたらしく
いかに押し付けにならないよう、子どもをやる気にさせるか
について書かれていたところは大変参考になりました。
そして、継続することの大切さも。

他、体力をつけるための父とのラジオ体操6年間(小学生期間)
日記5年間(2年~6年生まで、中学生からは学校の提出日記が
あったため断念していたそう)、苦手な算数を勉強する為、
父親が作った問題ノートを小学6年生~高校3年生まで、
今も続いているという18年間のNHKラジオ講座、
フランス語講座12年間など、その他にもたくさんの事を
今も継続して努力されているそうです。


親の視点から書かれる療育書はとても意義があると思います。
専門家の本は割りと多くあるものの、実際に生活していく中で
どのようなことをしてきたのかについては親でしかわからない
ところがほとんどだと思います。それゆえこの本は、
綾さんが4年制大学を卒業されたこともあって、本というよりも
貴重な資料だと感じます。

今息子は3才ですが、ダウン症児を育てるには専門知識も大切
だと思いますが、その根底には親の愛情や努力が必ず必要に
なってくるものだと実感しています。この本はその大切さを
わかりやすく、著者の経験から説明されているところが
とても参考になりました。
とてもわかりやすく書かれている点からもお勧めです。


■関連書籍

走り来れよ、吾娘(あこ)よ―夢紡ぐダウン症児は女子大生夢紡ぐ綾―母と娘のデュエット21番目のやさしさに―ダウン症のわたしから

 ◆21番目のやさしさに~My Review


■関連リンク

 ◆夢紡ぐ綾

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Q&A ダウン症児の療育相談―専門医からのアドバイス
Q&A ダウン症児の療育相談―専門医からのアドバイス
飯沼 和三
大月書店
売り上げランキング: 50028
おすすめ度の平均: 5.0
5 著者の人柄が伝わってきます
5 わかりやすくてお勧めです。
5 いつも手元におきたい本
5 教諭の立場の方へ
5 読んで納得!

■My Review
この本はダウン症に関して初めて読んだ本だったのですが、
とても参考になりました。当時私はダウン症の子を授かって
3ヶ月になったばかりで、合併症のことや今後の育て方など、
今後何をしていったら良いのか全くわからない状態でいました。

もちろん育児をしていく中で、色々な本を読む事や、
ダウン症児の家族、医者に話を聞いたり質問していく中で、
ダウン症の知識や育て方を多く学ぶことが出来たのですが、
それに先立ってこの本は、育児に対する不安をある程度
やわらげてくれました。

この本にはダウン症の基礎知識、発育に関して注意すること、
訓練の仕方、また、今後社会に対してどういうアプローチを
していったらよいのかなどについて書かれています。

著者がダウン症児に関わる家族や医療関係、教育現場に携わる方
から相談された内容をQ&A方式で簡潔にまとめてありますので
参考になるところがとても多いです。

また、その回答の仕方が、ダウン症児に関わる方に対して
とても親身になっていながらも、客観的な立場できちんと回答
している著者の姿勢にとても信頼感を持ちました。
ダウン症児を授かり、これからどうしてよいかわからなかった
私のような方に、この本はとても参考になると思います。


■関連書籍

ダウン症は病気じゃない―正しい理解と保育・療育のために (子育てと健康シリーズ)
ダウン症は病気じゃない

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ダウン症児すこやかノート―成長発達の手引きと記録
ダウン症児すこやかノート―成長発達の手引きと記録

メディカ出版
売り上げランキング: 12521
おすすめ度の平均: 5.0
5 コラムやCD−ROMも良い

■My Review
この本は"ダウン症児の赤ちゃん体操"の藤田弘子先生編集の
本と聞いて、息子が生まれてまだ数ヶ月のときに購入した本
なのですが、やはり買って正解でした。

ダウン症児を授かった親が、その子の成長を主治医の先生と
ともに記録していける、そんな使い方が出来る本で、
長く使えるようにビニールカバーもついています。

この本の構成はまず最初に、ダウン症児を授かった親への
メッセージや心構えなどからはじまり、ダウン症に関しての
知識、今後おこりえる病気について、療育機関はどのような
ものがあるかなど、幅広い視点からまず説明されています。

私は、とりこぼしを極端に恐れる方なので、この章は
その心配をかなり軽減させてくれました。また、
「~しましょう。」と頻繁に出てくる語り口に、妙な説得感
があり、カウンセリングを受けているような安心感を感じます。

心構えや基礎知識を学んだ後は療育の実践の章に入り、
ここでは主に乳幼児期と学齢期に大部分を割かれています。
青年期は、参考程度といったところでしょうか。


以上が大まかなこの本の構成ですが、私がこの本でとても
参考になったのは、実際に自分の子供を大学に入学卒業
させた育児経験のある親の方のコラムがでした。
私は、今回この方からかなりのことを学びました。この方の
経験談がこの本に、かなりの奥行きを与えていると感じます。

合計12Pの「ダウン症児に豊かなことばを」というタイトル
のコラムですが、とくに乳幼児期のものが珠玉だと思います。
短い言葉ではありますが、私はかなりのものを頂きました。
このコラムは岩元昭雄さんが書かれたのですが、この方は
ダウン症関係ではとても名が知られている方です。

結局子育てはダウン症だからどうというのではなくて、人として
どう育てていくのかという視点から突き詰めて考えていく必要
があるのだなとコラムを読んで思いました。
岩元さんご家族の書かれた本はほとんど読みましたが
とてもわかりやすくお勧めです。


話を戻しますが、この本には付録のCD-ROMが 付いてます。
私がダウン症の息子を授かって間もない頃、
健常児よりかなり遅いと言われる息子の成長を何と比較したら
よいのかわかりませんでした。

でもこのCD-ROMに全てその答えが載っていました。
このCDーROMには、0才~18才までの健常児と
ダウン症児両方の身長と体重の平均値が、折れ線グラフで
データ化されています。またそれだけではなく、自分の子の
1ヶ月ごとの身長、体重データをその中に打ち込んでグラフ化
することが出来、それによって両者のグラフの間を我が子が
どのような状態で成長しているのかが相対的にわかります。

自分の子の成長グラフが、逸脱していないか、またある時期
から変わった動きをしていないかを確認出来るツールがある
だけでもかなりの不安が取り除けるのではないかと思います。

この本は色んな面からダウン症の子を持つ方々に、
子育てのヒントを多く与えてくれる良書だと思います。
当時私の母が、母の友人から紹介された本でもあったのですが、
本当にいい本に出合えたと思っています。


■関連書籍

ダウン症児の赤ちゃん体操―親子で楽しむふれあいケアことば育ちは心育て―ダウン症児のことばを拓く


■関連リンク

 ◆ダウン症児の赤ちゃん体操教室
  ※兵庫県立塚口病院HPより


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ダウン症児のことばを育てる―0歳から生活のなかで
ダウン症児のことばを育てる―0歳から生活のなかで
池田 由紀江 菅野 敦
福村出版
売り上げランキング: 60278
おすすめ度の平均: 5.0
5 ダウン症児はことばの壁が厚い

■My Review
この本はダウン症の息子が生後3ヶ月の時に出会った本ですが
ダウン症の我が子をことばの面から今後どう療育していけばよいのか
について、具体的なヒントが得られた本でした。息子は3才になりまし
たが、ダウン症児の言葉の遅さを今とても実感しています。

この本ではタイトル通り、ダウン症児の育て方についてことばの点
から深く掘り下げて解説されています。この本の素晴らしいところは
「ことばの療育プログラム」に集約されていると思います。

なぜ、ことばなのか。 著者の言葉を借りると、
「『ことばによるコミュニケーション』はダウン症の子ども たちにとって
最も困難な領域である」らしい。

特にダウン症児は周りの子どものことばが理解できているのに
自分の気持ちをことばで表現することが苦手なこと。
そしてことばは出ているのに不明瞭な為、自分の言いたいことを
周りにわかってもらいにくい、という現実があると書かれています。

これはある意味地獄ではないかと思います。私は言葉による表現
がうまくない方なので、今の自分よりもコミュニケーションが下手
だったらと想像するだけで足がすくんでしまいます。我が子の為にも
今後出来るだけいい方向に療育してやりたいと思いました。


ところで、本書は大きく分けて3部構成になっています。
1部では、「ダウン症とは」からはじまり、「ダウン症児のことばの発達
の特徴としての要因」等について述べられています。
この1部で、ダウン症児におけることばについての基礎知識を
頭に入れた上で、本書の要である、
「2部:ダウン症児のことばの指導」に入っていきます。

2部は、実践的な「ことばの指導プログラム」です。
3部は、これらのプログラムを使った、軽度~重度のダウン症児
の療育指導例が載せられています。

私は、2部について最も感銘を受けましたので、ここで紹介されている
プログラムについて少しまとめておきます。

2部で紹介されている「ことばの指導プログラム」は

1)0~1才(前言語期)
2)2~3才(幼児前期)
3)4~5才(幼児後期)
4)6才~(学齢期)

の4つの時期に分けて各々に応じたプログラムが組まれています。
当時私が参考にしたのはもちろん1)になります。


2部の中で私が印象に残った言葉を少し紹介してみます。

・イメージをつくるのには、子どもに
「今あなたは○○を見ているのよ、きれいね」とか
「○○を食べているのよ、おいしいね」と言ったり、共感したりして、
今経験していることをお母さんが意識させてあげなければなりません。したがってこどもが
1人遊びしていたり、1人勝手に活動しているだけでは
イメージをつくることができません。

・口唇や舌のコントロールは微細な身体運動で、手指のコントロール
と共通性があると言われてきました。さらに手指は全身を使った歩く、
走る、跳ぶ等の粗大運動と関連して発達します。したがって粗大運動
は口唇や舌のコントロールの基礎ともなっているのです。


このブログラムの構成の基礎となっている考え方があります。
それは、<対人関係><認知能力><運動能力>の3要因。
それらはことばの花を咲かせる肥料と表現されています。

この本では、この3要因を学習するために、<遊び>と<生活>
そして補正的に<課題>学習する場面を設けています。

バランスよくことばの指導を行うことができるような
具体的なプログラムが上記の4つの時期について順を追って
書かれていました。

特に私が驚いたのは、子どもによって出る症状が千差万別である
ダウン症をテーマにしたプログラムにもかかわらず、系統だって
きちんとプログラムが組まれていること。

上記の<遊び><生活><課題>の各場面ごとに、ことばの発達
を支える3つの要因、<対人関係><認知能力><運動能力>を
組み合わせた3×3=計9項目のプログラムが、各4つの時期
それぞれに設定されています。

それだけではなく、ダウン症の子どもたちがことばを獲得する過程で
特に問題となる<聞くこと>の弱さに対応した項目を、
1項目加えています。これで、各時期10項目の計40項目の
プログラムが設定されています。

この本で書かれていたのですが、赤ちゃんによくする「たかいたかい」
は上記3要因を全て満たしている遊びなのだそうです。非常に密度の
濃い対人関係である、身体や表情を介したコミュニケーション、
自分とお父さんお母さんの身体の大きさや感触の違い、揺さぶりに
伴う位置関係の変化を実感することは、もっとも基本的な認知能力を
育てるそうです。

そして、これもこの本のなかで、心に残ったことばですが、
「ことばにおけるハウスとは何でしょうか」という質問がありました。
答えは、日常生活の生活リズムだそうです。

基本となる活動(起床、食事など)は毎日決められた時間に
できるように生活環境を整えることが大切らしい。
まずは自分から変えなければならないようです。

この本はダウン症児にとどまらず、健常児の育児にもよい影響を
与えると思います。長女の育児にも参考になることが多い本でした。

ダウン症児のことばを育てる

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幸せを見つけて ダウン症の子どもたち
幸せを見つけて ダウン症の子どもたち

阿吽社
売り上げランキング: 516472
おすすめ度の平均: 5.0
5 親の立場から書かれた本は貴重
         
■My Review
この本は大阪で活動されている、
ダウン症児の親の会「クローバーの会」の方々の手記や
座談会をもとに書かれています。

「クローバーの会」の由来は、染色体が一本多いダウン症児と、
四葉のクローバーをかけて命名されたとのこと。
面白いのは、この会の主導権を握っているのがお父さん方。
父の立場の私にはとても参考になる本でした。

この本の構成は、この会のリーダーの手記に始まり、
お母さんたちの座談会の様子、お父さんたちの座談会の様子、
子どもが成人して活躍している親2人へのインタビュー、
そして最後はダウン症の子どもと関わった方々の手記で終ります。

私が一番印象に残り、また勉強になった章は、33歳の娘を持つ
母親と、28歳の息子を持つ母親へのインタビューの章。
ダウン症児を出産し、子育てされた時期が、ダウン症に関する知識が
あまりない時代だったため、かなりの試行錯誤をされたようです。

このお2人の談話の中で私が特に勉強になったのは、
一日の生活リズムをきちっとされていること。
また、ダウン症児を受け入れる覚悟ができたときにまず一番に
「お行儀のいい子に育てよう」ということを決意されて、
それをずっと実行されてきたことにも大変感銘を受けました。

本には、「お行儀が良かったら人にかわいがってもらえるし、
ルールやマナーが守れる。(中略)食事をちゃんときれいに
食べられるように、顔も頭もきれいに洗えるように、
鼻をきちんとかめるように努めました」と書かれています。

私は健常児の長女にさえも、これらのことを満足に
教えてこなかったことを改めて反省し、今後私の生活全てを、
ダウン症の息子のために、そして長女のためにも根本から
治さなくてはならないことをとても実感しました。
お2人の談話はこの他にも参考になるところがとても多いです。

他に勉強になったのは、知的障害者全体に対してのダウン症
の割合が思ったより少ないこと。ダウン症の子どもの将来を
長期的な視点から見ると、ダウン症の親の会ばかりではなく
育成会(全国規模の知的障害者組織)に入るなどして、
知的障害者全体の立場から活動していかざるをえないとも
経験者の立場から言われています。

地域の中で生きていく本人の事を冷静に考えると
他の知的障害者と連携して、育成会でも活動していく必要が
あるとのことでした。これらのことは今後の子育てについて
大変参考になりました。これらの話の他にも、
お2人の談話は参考になるところがとても多かったです。

このようなダウン症児の親の立場から書かれた本はとても貴重です。
同じダウン症の子を持つ親として、先輩を身近に感じると共に、
実際の経験による話はとても重要だということを今回特に感じました。

幸せを見つけてダウン症の子どもたち

ダウン症の子をもって
ダウン症の子をもって (新潮文庫)
正村 公宏
新潮社
売り上げランキング: 46478
おすすめ度の平均: 5.0
5 やさしさに満ち溢れた本
5 人生に奥行きを与えてくれる
5 ぜひご一読を
5 感動です。
5 福祉にたずさわるすべての
                
■My Review
著者は著名な経済学者です。
私がこの本に出合ったのは、ダウン症の息子が生後4ヶ月の時。
私は機械設計を生業としているので、同じ数字を扱う経済学者が、
障がいを持った息子をどのように感じ、どのように育ててきたのか
とても知りたくてこの本を買いました。

この本には、ダウン症が社会的にまだ十分知られてない時代に
家族皆でご子息を試行錯誤で支えてきた様子が詳しく描写
されていました。著者のご子息はダウン症の中でも重度とのこと。
この本を書かれた当時、ご子息は20才だったそうですが、
まだ言葉がうまくしゃべれない状態だったと書かれています。

障がい者に対する社会の認識が変わったのは比較的最近で、
それまでは重度の障がい者は学校にさえ入れなかったそうです。
毎年4月になると、学校へ入れたい一心で入学のための努力を
かなりされるのですが、それがいつも徒労に終わる時の
母親の気持ちがとても切なく描かれていました。

私がこの本を読んで一番強く感動したのは、
母の子に対する愛情です。実際、この本の元となったのは、
うまく話せない子の様子を記録する為に、施設と家庭との
やりとりを綴った80冊にも及ぶ連絡帳。
そのほとんどを母親が書いています。

例えば、想像を絶するいたずらをする子に対しての
様々な感情や葛藤なども詳しく書かれているのですが、
その子に対して、母も幼い兄も、もちろん著者の父も
信じられないくらいとてもやさしい。

この本を読んで、理屈ではない母の愛情に胸を打たれました。
こんなにも、子に対して愛情を注げるものでしょうか。
かなり遅いながらも、確実に成長していくご子息と
それを見守る家族の絆が、息子さんの成長とともに
だんだんと強くなっていくところに大変感銘を受けました。

私もどれだけの時間と愛情を、我が子に注げるのか、
まだ定かではありませんが、片時も休むことが出来ない
母親の気持ちが私には大変参考になりました。
そして、愛情を注げば注ぐほど、ダウン症の子は答えて
くれるのだという期待をさせてくれる本でした。
読んで良かったです。

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able(エイブル)
able
able
posted with amazlet at 09.03.18
渡辺 ジュン
元就出版社
売り上げランキング: 65604
おすすめ度の平均: 5.0
5 良い意味で裏切られます
5 皆さん、読むといいですよ!
5 おめでとう!

■My Review
表紙を見て、てっきりダウン症の元(げん)君の成長記録かな
と思ったのですが、良い意味で裏切られます。
元くんの成長についても、もちろん書かれているのですが、
母であり、この本の著者でもある、渡辺ジュンさんご自身の
生き方がとても楽しく描かれていました。著者自身が人生を
楽しまれているゆえに、元君ものびのびと育っているのだと
読んでいて感じました。

この本は、タイトル通り、映画『able』の撮影にまつわる
出来事を核にして、それまでの元君や著者の生い立ち、
撮影前後に起こった変化などを通じて、著者の人生が劇的に
変わっていく様子が書かれています。
「事実は小説より奇なり」の言葉そのままに、
いろんな偶然(必然?)が重なって、より良い方向に
向かっていく様は本当に驚きの連続です。
とても強くひきこまれた本でした。

著者は元くんを出産してから、離婚を経験し、
子宮全摘出手術を受け、長男の不登校でもかなり悩みました。
仕事も工場での作業からセラピストに大転換しています。
事あるごとに壁にぶち当たり、それを見事崩していく所が凄い!

一件逆境と思えることでも、それをプラスと受け止めることで、
とても良い運を呼び込んでいるように思えます。
そのところをこの本で淡々と書かれていますので、何かしら
人生の奥義(?)なるものを教えてもらったような感じです。

私が1番印象に残った箇所は、著者が赤ちゃん時の元くんを
抱っこしている時に、緒方拳さんに電車で話しかけられたシーン。
実はその日の夜まで著者は緒方さんだと気づかなかったそう。
その後の展開も面白く、楽しく読ませていただきました。

スペシャルオリンピックスについても詳しく書いてあるので、
それに参加することの意義がよくわかります。
将来機会があればぜひ息子にも参加させてみたいです。

私の人生は、息子が生まれたことでどのように変わるのか。
自分主体の読み方の出来る楽しい本でした。


■関連書籍

療育サバイバルノート―ダウン症の赤ちゃんを授かったすべてのお母さんへドキュメンタリーを作るということ―あるがままになるがままに

 ◆映画「able」~My Review


■関連リンク

 ◆ableの会
 ◆認定NPO法人 スペシャルオリンピックス日本


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愛にはじまる
愛にはじまる―ダウン症の女流書家と母の20年
金澤 泰子 金澤 翔子
ビジネス社
売り上げランキング: 217251
おすすめ度の平均: 5.0
5 障害を持った少女の

■My Review
この本はダウン症の書家・金澤翔子さんの今までの生い立ちや、
書家になった背景を母である著者が書いているものです。

著者の娘・翔子さんが生まれた当時の社会は、障がい者に対する
理解が今よりもとても低かったと聞きます。その時代に
どのような気持ちで翔子さんを出産し、今まで育ててきたのか。
時代が時代だっただけに、著者の歩んだ人生は、決して穏やかな
ものではなかったことがこの本からもわかります。

本にはDVDが付属しているのですが私はDVDから見ました。
その映像を見て、生後5ヶ月の息子を育児していた私は少し
ショックのようなものを感じてしまいました。頭の中で
翔子さんのことを美化していたこともあったのだと思います。
多分ダウン症について、まだあまり知識のなかった私にとって、
これは慣れない感情だったのかもしれません。

DVDの良い点は、本では伝わらない情報も伝えることが出来る
という点につきると思います。私が勝手に思うことですが、
このDVDはどちらかというと一般の方向けに作られたものではなく
私と同じくダウン症の子を持った親及び、ダウン症に関わる方に
向けて作られたものではないかと感じました。だから著者は
翔子さんの日常の多くをこの本で見せてくれているのだと思います。

何にせよダウン症の方の日常生活を記録した映像を私はまだ
見た事がありませんでしたのでこの本はとても貴重なものだと
感じました。もちろんダウン症を知らない方でも、翔子さんの
書の素晴らしさを通じて、この本からダウン症への理解を
より深めることが出来ると思います。


私がこの本から学んだことは、障害を持つ子に関わっていく
過程で、今まで持っていた常識は臨機応変に変えていかなくては
ならないということでした。逃げてばかりではなにも解決しない
ことを知りました。

私の息子はまだ親の言う通りになりやすい可愛い存在なのですが
大きくなってくると息子も含めて家族の間にも色んな葛藤が
出てくることと覚悟しています。今のうちから著者のように
全てを受け入れる度量を持つように努力していかないと、
私は息子と共により良い人生など歩めるはずがありません。


この本で特に私が印象に強く残ったところは、翔子さんが
14才の時に急逝されたお父様について書いてある下りです。
私は同じ父の立場としてその部分にとても感銘を受けました。

少しその部分を書いてみますと、翔子さんが生まれた当初、
仮死状態で敗血症を起こしていた為、お父様は病院側から
交換輸血をしないと命はないと宣告されました。ただダウン症
なので、そこまでして命を助けるのはどうかという話を医者側
からその時忠告されたそうです。しかしお父様は迷うことなく、
自ら交換輸血を行い翔子さんは無事生き続けることができました。

当時の情報の片寄った時代に、私が翔子さんのお父様と同じ立場
に立ったとして、はたして我が息子に同じことをしてやれたか
どうか、多分とてもあやしいものだと思います。翔子さんの
最近の活躍を見るにつけ、お父様は姿こそ見えませんが、
今も翔子さんと共に生き続けているような気がします。


本の構成は、お母様の書かれたページが50頁、翔子さんの「書」
の紹介が50頁、それに加えてDVD付という、とてもバランスの
取れた構成になっています。添付のDVDの圧巻は何といっても、
最後の席上揮毫のシーン。とても大きい筆で、淡々と書き上げて
いく様子はこのDVDの目玉だと思います。

私はダウン症の息子がとても良い時代に生まれたことを、
この本を読むことで、いっそう感謝することが出来ました。
今の時代、ダウン症がここまで認知されてきた陰には、情報の
少ない時代に厳しい生き方を余儀なくされた方々の努力の
積み重ねがあることを今回再認識しました。著者が今、
翔子さんと共にとても幸せな人生を歩まれている事、
何よりうれしく思います。


■関連書籍

天使の正体―ダウン症の書家・金澤翔子の物語

■関連リンク

 ◆金澤翔子の世界

 ◆金澤翔子さん関連リンク集


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しんちゃんのやまのぼり
しんちゃんのやまのぼり
もりした あきこ
吉備人出版
売り上げランキング: 1595307
おすすめ度の平均: 5.0
5 絵本の力はすごい!

■My Review
この本は著者のご子息のしんちゃんのことを、こどもにも
わかりやすく読んでもらえるよう絵本にされたものです。
この物語の背景は、別の著書「ゆっくりゆっくり」に詳しいです。

しんちゃんはダウン症という障がいと重度の合併症を持って
生まれてきました。計8回もの大きな手術をしたそうです。
小学校入学時に退院が間に合わず、小学校に行ってもしばらくは
車椅子で過ごしていたと書いてあります。

この絵本はそんなしんちゃんが小学2年の時に"やまのぼり"に
いどむお話。しんちゃんにとって、また著者にとってもきっと
これは大きな冒険だったに違いありません。

なぜ絵本を製作したかについては、著者が育児に悩んでいた時に
経験した絵本との出会いがあるのですが、そのことについても
「ゆっくりゆっくり」に詳しいです。


その「ゆっくりゆっくり」からの引用ですが、著者曰く、絵本は
子どもに初めての体験をさせるときに欠かせないものだそうです。
イメージ付けとモチベーションを高める為に有効とのこと。
また体験させた後も絵本で体験の裏付けをすることで、
子どもはそれを誰かに伝えたいという気持ちが膨らむそうです。

また、著者が絵本の力で感動された事も書いてありました。
しんちゃんが頚椎の手術をした後、激痛で泣き続けていたことが
あったそうです。著者ではどうしても泣きやまなかったのですが
近くにあった絵本を読んであげるとしんちゃんは泣きやみ、
耳を傾け、眠りについたとのことでした。また目を覚まして
痛みで泣き出すと、再び絵本を読んでやるといった繰り返しが
続いたそうです。その時の体験から、絵本には痛みも忘れさせ、
心を穏やかにする力があると感じられたとのこと。

上記に書かれていたことは私のダウン症の息子に絵本を読んだ時
の反応と比べてもとても頷けます。また著者は絵本の専門店にも
足をかなり運ばれて研究されているようですので、内容には
とても説得力がありました。


この絵本は、ダウン症児のご兄弟やダウン症児のお友だちに
読んであげるのに最適な本だと思います。著者のあとがきも
含めて全編ひらがなで書かれているので小さな子どもでも
とても読みやすい。私は当時8才の長女に読み聞かせたのですが、
息子と同じ障がいを持つ子のお話とあって、とても興味を持って
その後1人でも読んでました。
高木由美さんの絵も味わいがあって良いです。


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ゆっくりゆっくり

 ◆ゆっくりゆっくり~My Review


テーマ:障害児と生きる毎日。 - ジャンル:育児

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